仙波東照宮と右から書いています。高田早苗書と印が押されています。(川越仙波東照宮)
筆跡特徴で大きく目立つのは、「横線右下がり」です。
これは、一般に右上がりが多い中で、少数派を行こうとする傾向で、常識や一般などにはちょっと待てよ!とよくものごとを考えて行動する人に多い書き方です。したがって、見方がユニークであったり、じっくり考えたり、違う角度から物事を捉えたりして行動する傾向があります。このことは「筆跡の科学」森岡恒舟著に拠れば、評論家、学者、文化人に多いと書かれています。
普通、碑の題額は篆書体が多いのですが、「行書(連綿~線がつながる)」で書かれています。この辺も一般とは違います。また、連綿は、同じく森岡は、「情緒、伝統に魅かれて人情味がある。穴六の江戸時代型。」また、同じ太さで続け書きする強連綿傾向もあり、これも同じく森岡は「自信家型、集中力に優れる」と書いている。さらに、接筆(画と画が接する所)はきちんと閉じて接しています。
「接筆閉」、これも森岡によれば、小学校で習った書き方をずっと大人になった今でも忠実に書いているので「まじめ、潔癖、几帳面、ただ物事を決めてかかえい、融通が利きにくい面もある」とあります。
また行書であるのに、折れ曲がる所「転折」は、普通行書は丸くなりますが、角張っています。「転折角」です。この行動傾向も、森岡によれば、「几帳面、ルール通り行動する」とあります。自分の基準からぶれない行動をする人のようです。
もう一つ、文字の筆画の空間のとり方が急に狭くなることのない等間隔性を保っています。「等間隔」は、森岡は「平等の概念や等価の集積になるコンピュータ理論ともつながりを持つがいねんです。さらに言えば、部分的に苦しいところがないわけですから、理論や話の中にどこにも区がない、考え方の硬性も理路整然としていて無理がないということに通じるかもしれません。」と述べています。
最後に右に傾いた字形になっていますね、「右傾」といいますが、これについても森岡によれば「本人は、傾いているのが安定していて、一般には不安定で、転倒、挫折、失恋、倒産等のあまり好ましくない事態に陥りやすい傾向があります。その一方でこの書き方の人には優秀な人、天才肌の人も多いのです。」とあります。
1860年4月4日(安政7年3月14日)、江戸・深川(現在の東京都江東区)に生まれる。神田の共立学校(現・開成中学校・高等学校)や官立の東京英語学校(のちの一高)などで英語を学び、大学予備門を経て、1882年(明治15年)に東京大学文学部哲学政治学及理財学科を卒業。法学者の小野梓と知り合い、大隈重信の立憲改進党に加わった。また、大隈と共に東京専門学校(現在の早稲田大学)の設立にも参加し東京専門学校評議員・講師となり、早稲田の運営に力を注いだ。1887年から1890年末まで読売新聞主筆[3]。1901年、法学博士。1907年、早稲田大学が総長・学長制を敷くと、初代学長に就任(初代総長は大隈重信)。1923年(大正12年)5月から1931年(昭和6年)6月まで同大総長[2]。1928年、帝国学士院会員。
教育者として早稲田大学の運営に携わる間に、1890年(明治23年)、第1回衆議院議員総選挙に埼玉二区(現川越市)から立候補し全国最年少で当選、立憲改進党系の政党に参加し、通算6期務めた。主筆退任の時期は第一帝国議会召集の時期に重なる。1897年第2次松方内閣(大隈と連立した松隈内閣)で外務省通商局長、1898年第1次大隈内閣(隈板内閣)で文部省参事官、高等学務局長、参与官兼専門学務局長となる。1897年、外務省に入るに際して株主として経営に参画していた読売新聞からの退社を広告した[4]。1903年12月の議会解散以後は政界から暫く離れた。
1915年5月19日貴族院議員に勅選され[5]、また、8月には第2次大隈重信内閣の内閣改造で文部大臣として入閣した。
早稲田大学の式服や式帽、校旗などを定めることを発案し、職制なども定め、また、早稲田大学教旨の制定を発議した[6][7]。現在、早稲田大学にある高田早苗記念研究図書館は、高田の早稲田大学への功績をたたえて名づけられた。
1925年(大正14年)3月23日、仮放送を開始したばかりのラジオに出演、「新旧の弁」と題する講演を行った。これが日本最初の教育放送である[8]。
1931年(昭和6年)6月、病気を理由に早大総長を辞任。翌月10日の臨時維持員会は高田の名誉総長推薦を決議したが[9]、高田はこれを固辞して悠々自適の隠居生活に入った。1938年(昭和13年)12月3日死去。葬儀は大隈講堂で大学葬により行われた[10]。
妻は前島密長女。戒名は明教院顕誉半峰居士。墓所は豊島区駒込の染井霊園。
如何でしたか?筆跡から読み解く人物像~書くという行動と共通する個々人の行動の関係でした。川越から議員に出馬しています。